AYA世代のがん患者が20代後半から急増しているそうですよ!
もくじ
AYA世代ってどんな世代?
「AYA世代」とは、英語のAdolescent and Young Adult(思春期・若年成人)の頭文字をとったもので、15~39歳の思春期・若年成人の世代のことで、がん医療において用いられています。
0歳~14歳の小児がんと40歳以上の成人がんを、ともに発症する可能性がある年代のためがんの種類は多様ですが、
患者数は少なく専門家も限られていて、他の世代に比べて将来にあらゆる可能性を残す治療の提供や、後遺症の長期サポートを行う体制づくりが遅れているのが現状だそうです。
AYA世代のがん患者の年齢別割合
国立がん研究センターと国立成育医療研究センターの発表によると、AYA世代のがん患者は、20代後半から急増しているそうです。
◆0歳~14歳の小児
・0~4歳 3%
・5~9歳 2%
・10~14歳 2%
◆AYA世代
・15~19歳 3%
・20~24歳 6%
・25~29歳 14%
・30~34歳 27%
・35~39歳 43%
で、25~29歳で14%と急増し、年齢が上がるにつれて増加しています。
全世代で見ると女性より男性の割合が多いですが、20歳以上だと女性が多くなり20~39歳では女性が約8割を占めるそうです。
25歳以降の急増は、子宮頸がんと乳がんの増加によるものだそうです。
がん検診の受診率向上が喫緊の課題
日本の子宮頸がん、乳がん検診の受診率は40%台と低く、OECD(経済協力開発機構)加盟国の中でも最低レベルで、アメリカの半分ほどだそうです。
そのため日本では「がん検診受診率50%達成」を目標に掲げていて、20歳以上の女性に2年に1度の子宮頸がん検診を推奨しています。
厚生労働省研究班の調査では、AYA世代の治療中の悩みごととして「今後の自分の将来」が最も多く、仕事や経済的なことが上位を占めているそうです。
就職や結婚など人生の大きな節目と治療が重なるので、個別に寄り添える支援体制が求められています。
小児がん治療の実態
0~14歳の小児がんについても、国立がん研究センターと国立成育医療研究センターが報告書を公表しています。
小児がんで最も多いのは白血病で、ついで脳腫瘍、リンパ腫だそうです。
希少な種類のがんが多く専門性が高いため、国は診療の集約化を進めていますが、
小児がんについて医療機関ごとの治療実績を詳しく分析すると、実績の少ない医療機関で治療が難しい希少がんを担当しているのが実態で、診療の集約化は進んでいないという実態が浮き彫りになっています。