聴覚情報処理障害(APD)の原因と特徴とは|治療法はあるの?
聴覚情報処理障害(APD)とは
聴覚情報処理障害(APD)とは、聴力検査をしても異常がなく正常なのに、聞き取りにく言葉の内容を理解しにくかったり、理解するスピードが遅かったり、聞いた言葉の処理ができない状態のことです。
雑音が多い環境いや相手が早口、声が小さい、声が不明瞭など、特定の状況下で言葉の理解が困難になります。
また、口頭で伝えたことが理解しにくい、長い話になると注意して聞き続けられないなどの症状の人もいるそうです。
聴覚情報処理障害の特徴
・聞き返しや聞き誤りが多い
・雑音など、聴取環境が悪い状況下での聞き取りが難しい
・口頭で言われたことは忘れやすい、理解しにくい
・早口や小さい声などは聞き取りにくい
・長い話を注意して聞き続けるのが難しい
・視覚情報に比べて聴覚情報の聞き取りや理解が難しい
難聴と似た症状ですが、聴力検査をしても異常がないのが大きな特徴です。
聴覚情報処理障害の原因
聴覚情報処理障害の原因は、はっきりした原因は解明できていないそうで、従来は聴覚の神経の問題と考えられていたそうですが、脳の認知機能が影響しているとも考えられているそうです。
話を聞いて理解するには、聴覚情報に注意を向け、聞きにくい内容は推測するなど、複雑な認知機能が必要で、その機能に異常があり言葉の理解が追いつかないと考えられているそうです。
また、心理的な要因も影響していると考えられ、原因は人によってさまざまだと考えられているそうです。
聴覚情報処理障害の治療法
残念ながら確立された治療法はまだないそうですが、改善する方法はあるそうです。
改善する方法
① 話す位置や距離、場所などを調整し、聞き取りやすい環境を作る
② 雑音を抑え、補聴器などの補助器具を使用して聞き取りやすくする
③ 面と向かってはっきりとゆっくり話したり、メモや映像などを利用する
③ 聞き取れなかったときの聞き返し方や、注意力や記憶力を高めるなど聞こえの向上を目指す聴覚トレーニングを行う
④ 友人とのトラブルや職場でのミスなど、心理的な要因で聞き取り困難が発生している場合もあり、精神疾患など二次的な影響に繋がる可能性もあるので、カウンセリングなど専門的な支援を受ける
などで、子供の場合は、語彙を増やすなど言語学習で推測力を高めることも有効だそうです。
聴覚情報処理障害は何科を受診?
聴覚情報処理障害が疑われる場合は、まず耳鼻科で聴力検査をしましょう。
耳鼻科の聴力検査で異常がない場合は聴覚情報処理障害が疑われます。
しかし、聴覚情報処理障害の原因は解明されておらず、日本では支援体制が整っていないのが現状だそうです。
耳鼻科でも聴覚情報処理障害をしらない病院も多いそうです。
まず本人がAPDを自覚して、周囲の理解を得ることが大事だそうで、ゆっくり話してもらったり、大事なことはメモに書いてもらうなど、周囲の理解が不可欠だそうです。