口腔ケアの目的と効果|虫歯や歯周病も細菌による感染症だって知ってた?
もくじ
口腔ケアの目的
口腔ケアの目的は、歯磨きなどで口の中を清潔にするだけでなく、口の老化や機能低下の予防や維持回復をしたり、虫歯や歯周病の感染などを予防することで、誤嚥性肺炎や心筋梗塞などの全身疾患を予防することを目的としています。
◆歯周病菌による全身疾患
歯周病菌は唾液や血液で全身に運ばれ、以下のような全身疾患を引き起こします。
・誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)
・脳血管疾患(脳梗塞など)
・感染性心内膜炎
・敗血症
・虚血性心疾患(心筋梗塞など)
・高血圧
・糖尿病
・動脈硬化
など
口腔ケアの種類
口腔ケアには、口の衛生を保つ「器質的口腔ケア」と、口の機能を維持向上するための「機能的口腔ケア」の2種類あります。
器質的な口腔ケア
器質的口腔ケアとは、うがいや歯磨きなどで、歯茎や舌、頬の内側など口の中にある歯垢や食べかすをきれいに取り除き、口の中の細菌の繁殖を抑え清潔に保つためのケアです。
機能的な口腔ケア
機能的口腔ケアとは、口腔機能の維持・向上させ、回復するためのケアのことです。
口周りの筋肉や舌を動かすことで口腔機能の低下を防ぎ、食べる、話す、表情をつくるなど口の働きを維持・回復します。
口の筋肉も鍛えなければ衰えてしまうので、器質的口腔ケアと並行して継続的に行う必要があります。
口腔ケアの効果
口腔ケアで期待できる効果を紹介します。
① 虫歯・歯周病の予防
うがいや歯磨きなどで、歯茎や舌、頬の内側など口の中にある歯垢や食べかすをきれいに取り除くことで、虫歯や歯周病の予防や口臭の予防効果が期待できます。
② 誤嚥性肺炎や感染症の予防
口の中の汚れや細菌を取り除き清潔に保つことで、誤嚥性肺炎や心臓病、糖尿病、インフルエンザなどの感染症の予防効果が期待できます。
③ 唾液の分泌を促す
口腔ケアで口の中を刺激することで唾液が出やすくなり、味覚が改善され食欲増進が期待でき、栄養状態の改善や脱水の予防、体力回復などの効果が期待できます。
④ コミュニケーションの改善
口腔ケアで口や舌の動きがよくなることで、発音がよくなりおしゃべりや意思疎通が円滑にできるようになり、コミュニケーションの改善が期待できます。
⑤ 認知症の予防
ものを噛んだり飲み込むことで脳に刺激を与え、脳の活性化につながると言われています。
口腔ケアで歯をケアすることは脳の活性化に役立ち、噛む刺激で脳を活性化し認知症の予防が期待できます。
プロフェッショナルケアとセルフケアを取り入れましょう
普段から歯磨きをして歯がツルツルでキレイだとウイルスはくっつきにくいそうですが、汚くしているとウイルスがつきやすく、歯周病が進行して粘膜に傷ができるとウイルスが侵入しやすくなります。
また、食べかすは8時間程で目に見える白い塊になり、プラーク(歯垢)ができ始めるそうです。
食べたあとすぐに口をゆすいて食べかすを流してしまえばいいですが、虫歯や歯垢はうがいをしてもなかなか取り除けません。
虫歯や歯垢は歯医者でしっかりプロフェッショナルケアやアドバイスをしてもらい、その上で正しい歯磨きなどのセルフケアをましょう。
意外に知らない「正しいうがい」
うがいの仕方を習うことはあまりないので、正しいうがいができていないかもしれません。
うがいの仕方が悪いと口の中には汚れが残ってしまいます。
うがいは、音が出るくらい口の中で水を強く激しく動かすことがポイントです。
また、うがい薬を使いすぎると口の中の常在菌まで殺してしまい、粘膜が荒れてしまうこともあるので、うがいは水で十分だそうです。
正しいうがいの仕方
① 少量の水を口に含む
② しっかり口を閉じて7秒ほど全力でブクブクと音が出るように、口の奥から唇に向かって水を押し当てるように激しく動かす
③ 口の中の水を吐き出す
④ 水を少量口に含む
⑤ 天井を見ながらむせない程度に喉の奥まで水を入れて7秒ほどゴロゴロうがいする
うがいのメリット
新型コロナウイルスは、舌や頬、喉などで増えるので、口の中が汚いほど重症化するリスクが高そうなので、予防のためにもうがいで雑菌を洗い流しましょう。
うがいは顔や舌の筋肉を使うので、口周りの筋肉をキープするトレーニングにもなります。
また、口呼吸は唾液が渇き虫歯や歯周病などを誘発するので、糖尿病や心筋梗塞などの全身疾患を予防するためにも、定期的に歯医者で検診し、歯磨きやうがいなど口腔ケアを行いましょう。
口腔ケアは口の健康や機能を維持・回復するだけでなく、食べる喜びや、会話を楽しみ、笑顔で人と接し、生きる喜びや精神的にも豊かな生活の質(QOL)を高めるものです。