5gとはわかりやすく言うとどんなもの|どんなメリットがあるの?
もくじ
5Gとはどんなもの?
5Gとは「ファイブジー」と読み「5th Generation」の略で、5thは「第5番目」、Generationは「世代」のことで「第5世代移動通信システム」のことを指します。
4G(第4世代移動通信システム)から通信速度や、低遅延、接続数など飛躍的に進化しています。
・通信速度は4Gの100倍の超高速・大容量で、2時間の映像を3秒でダウンロード
・遅延(タイムラグ)は4Gの10分の1の超低遅延で、ロボットなどの精密な操作を実現
・接続数は4Gの10倍の多数同時接続で、家電などあらゆるモノに接続可能
5Gは、これまでの人と人がコミュニケーションを行うことを想定したツールとしてだけでなく、身の回りのあらゆるモノがネットワークにつながるIoT時代のICT基盤として、さまざまな産業・分野において業務の効率化や新たなサービスの創出などが期待されています。
移動通信システムの進化の歴史
移動通信システムは1970年代後半から始まり、約10年の周期で世代交代が行われてきました。
移動通信システムがどのように進化し、どのような技術革新が行われてきたのか、どのようなサービスや利用方法が登場したのかを、簡単にまとめてみました。
1G:第1世代移動通信システム(1979年~)
1970年代後半~1980年代前半にかけて登場した、セルラー方式のアナログ無線電話で、1979年に日本電信電話公社(当時)が民間用としては世界で初めてセルラー方式による自動車電話サービスを開始。
当初は車内での通話サービスで、1985年に肩にかけて持ち運ぶ大きな携帯電話ショルダーフォンが登場、1987年にはNTT(日本電信電話株式会社)が、さらに小型・軽量化した端末を用いた「携帯電話」サービスを開始。
1991年には超小型携帯電話「mova(ムーバ)」が登場。
1Gの時代にはインターネットなどのデータ通信はまだ利用できず、音声をアナログ変調方式で電波に載せて送信していました。
2G:第2世代移動通信システム(1993年~)
1990年代前半からは、アナログ通信からデジタル通信への移行され、デジタル方式によるサービスが開始。
NTTが開発したPDC方式が採用され、1993年のNTTドコモ、1994年にはセルラーグループ、IDO(日本移動通信株式会社)及びデジタルホングループがそれぞれPDC方式によるサービスを開始。
携帯電話向けインターネット接続サービス、メールのやりとりなどが可能になり、パソコン以外の端末からメールのやりとりが行えるようになった。
3G:第3世代移動通信システム(2001年~)
高速データ通信による本格的なマルチメディアが実現した時期で、移動通信システムの国際標準化が図られた。
W-CDMA方式で2001年にNTTドコモが「FOMA」、2002年にJ-フォンが3Gサービスを開始、cdma2000方式で2002年にKDDIが3Gサービスを開始。
2001年にはアプリケーションサービス「iアプリサービス」が始まり、携帯電話端末でゲームなどの多様なコンテンツを楽しめるようになる。
2006年には、音楽再生チップ(Mobile Music Enhancer)を内蔵した携帯電話端末が発売される。
2007年にAppleがスマートフォン「iPhone」が発表され、世界的にフィーチャーフォンからスマートフォンへの移行が始まる。
2009年にはGoogleが開発したAndroidを搭載したスマートフォンも発売される。
通話の音質も改善され携帯の画面でのインターネットの利用が当たり前の時代となる。
4G:第4世代移動通信システム(2010年~)
国際電気通信連合 (ITU) が定める「IMT-Advanced」規格に準拠する無線通信システムのことで、LTE、WiMAXそれぞれの後継規格であるLTE-AdvancedとWirelessMAN-Advanced(WiMAX2)が該当。
携帯電話の回線数増加とともに、パケット通信と高速化への需要はますます増加し、2015年頃に本格的に4Gのサービスが開始され、スマホが急速に普及。
通信速度はメガレベルからギガレベルへと進化していき、大容量の動画コンテンツをストレスなく視聴することが可能となり、クラウド、ビッグデータ、IoT、AI、VR/ARなどの新たなトレンドとも結びつき新たなサービスが登場。
これによりYouTubeで大容量の動画の視聴、FaceTimeでのテレビ電話、LINEを使用したメッセージのやりとりが主流になるなどスマートフォン文化が大きく進歩。
5Gが創り出す社会
5Gは通信端末だけでなく、さまざまな機器がネットワークに接続され、産業や社会に大きな変化をもたらします。
◆車の自動運転
超低遅延通信が必要となる自動運転システムが実現することで、アクセル・ブレーキ・ハンドルの操作の遅れを無くし、より正確で安全な自動運転を実現。
◆遠隔医療
超低遅延通信が実現できることで、移動中でも高精細映像を用いた遠隔手術などを実現。
◆重機・建機の遠隔操作
ドローンを活用した高精度な測量や建機の遠隔・自動操縦等を実現することで、建設現場の仕事のやり方が変わる。
地域問題の解決
地域の問題や課題を解決し、地方の暮らしに大きな変化をもたらします。
◆災害現場の早期把握
街の中に多数設置された高精細な映像センサーによりデータを収集、活用することで、災害情報を網羅的に把握するとともに、被災者に最適な避難経路情報を迅速に届けることができる「災害に強い社会」を実現。
◆農作業の自動化
様々な情報を収集する農業用センサーに加え、給餌ロボット、散水・薬剤散布ドローンなどの実現により、自宅からの畜産/農作業管理を実現。
◆自動運転タクシー
超低遅延通信が必要となる自動運転システムが実現することで、公共交通機関が利用しにくい地域でも、自動運転タクシーで好きな時に、好きな場所に出かけることができる、高度モビリティ社会が実現。