特発性拡張型心筋症の症状|短期間の急激な体重増加に注意!
もくじ
心筋症のタイプとその原因
心筋症には原因によって大きく2つのタイプがあります。
◆二次性心筋症
二次性心筋症は、他の疾患との関連が明らかなもので、心筋梗塞などの「虚血性心疾患」「高血圧」「心臓弁膜症」が原因のもの、「サルコイドーシス」や「関節リュウマチ」などの全身疾患、「ファブリー病」などの遺伝性疾患、抗がん剤などにいよる薬剤性など様々です。
◆特発性心筋症
一般的に心筋症というと「特発性心筋症」のことを指しますがその原因は不明です。
しかし近年、何らかの遺伝子異常が関係していることが明らかになってきています。
また、特発性心筋症にもタイプが有り「肥大型」と「拡張型」の二つに大別されます。
特発性拡張型心筋症の症状
特発性心筋症は「肥大型」と「拡張型」の二つに大別されます。
肥大型心筋症
心筋が肥大し厚くなるのが「肥大型心筋症」です。
心筋が肥大すると収縮するためのエネルギーがより多く必要になります。
そのため心臓が酸欠状態になってしまいます。
また、心臓は血液をため込んで一気に全身に押し出しますが、その拡張が不十分になり十分に溜め込むことができなくなってしまいます、
そのため不整脈となり、胸痛や動悸、息切れや倦怠感を感じたりします。
軽症の場合は症状が現れにくいので、健康診断の心電図異常などでわかる場合もありますが、肥大が進むと心不全になってしまうので定期的に検査を行うことが必要です。
拡張型心筋症
心臓の収縮が弱くなり十分な血液を送り出せなくなってしまい、容積を大きくして補おうとして心臓の内腔が次第に拡張してしまいます。
この状態が長く続くと心臓に過剰な負担がかかり、十分な血液を拍出することができなくなり、体を動かすと息切れが起こります。
また、血液の循環が不漁になると体内の水分量が増えたり、心臓や肺の圧が上がってしまい、足のむくみや胸水、息苦しさなどが起きることがあります。
短期間の急激な体重増加に注意!
数日で体重が2キロ以上増えるなど急激に増えた場合は、体内の水分量の増加が考えられるので、適切な診断と治療が重要になります。
心筋症の診断には、心電図検査のほか胸部X線検査、血中の脳性ナトリウムペプチド(BNP)の濃度を調べる血液検査などを行います。
また、心筋の厚さや大きさを調べる心エコー検査なども行い心筋症の診断を行います。
心筋症の治療
心筋症の治療は、全身に血液を届ける心臓のポンプ機能を回復することがポイントになり、心不全を起こさずに、かつ不整脈を抑えることが大切です。
そのため心臓の働きを助ける薬物療法で負担を軽減させることが基本となります。
β遮断薬やアンジオテンシン変換酵素阻害薬、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬などの薬剤を組み合わせて、心臓の負担を軽減し抗不整脈薬や利尿薬を適切に使用して症状の緩和を行います。
薬物療法の効果がない場合や突然死の予防のために、ペースメーカーや埋込み型除細動器を入れる場合もあります。
また、人工心臓などの外科的治療や、心臓移植が必要になる場合もあります。
特発性拡張型心筋症の予後
近年は薬物治療や非薬物治療の進歩によって、心筋症の予後はさらに改善されてきています。
しかし高血圧は心臓への負担が大きくなるので、塩分の過剰摂取には十分に注意してください。
また、ストレスや過労、不眠も悪化の要因になるので、散歩などの適度な有酸素運動を心がけ、多量の飲酒や喫煙は避け、心臓に優しい生活を送りましょう。