夏型過敏性肺炎と新型コロナは関係あるの? 症状や治療法は うつるの
もくじ
過敏性肺炎とはどんな肺炎?
過敏性肺炎とは、カビや粉塵、化学物質などを吸い込んでしまいアレルギー反応を起こし発症する肺炎です。
一般的な肺炎は細菌やウイルスなどの感染症により発症しますが、過敏性肺炎は感染症が原因ではなく、カビや化学物質などを吸い込んで肺がアレルギー反応を起こして発症します。
過敏性肺炎の原因となるアレルゲン(アレルギー物質)の種類は300種類以上あり、最も多く発症する「夏型過敏性肺炎」は、高温多湿の夏に大量に発生するカビの一種のトリコスポロンが原因で発症します。
夏型過敏性肺炎は新型コロナも関係あるの?
夏型過敏性肺炎の原因は、カビの一種のトリコスポロンを吸い込むことでアレルギーを起こし発症します。
新型コロナウイルスによる肺炎は、ウイルスが原因なので直接は関係のない肺炎ですが、発熱やせき、息切れなどよく似た症状なので区別が難しい場合があります。
トリコスポロンは、高温多湿の季節になると発生し湿気の多い場所に多く発生します。
特に古い木造家屋で日当たりや風通しが悪い場所は要注意です。
・風呂場やキッチン
・洗濯機周り
・サッシ周り
・畳の下
・押入れ、
・加湿器
・エアコン
などは特に気をつけましょう。
夏型過敏性肺炎の症状
夏型過敏性肺炎の症状は、乾いた咳や息切れ、呼吸困難、発熱などが中心です。
カビを吸い込んでから4~6時間後に、軽い風邪のような咳や痰、発熱などの症状が出て、放っておくと症状が重くなり息切れなど呼吸困難を起こすこともあります。
職場などカビを吸い込まない環境では症状が収まるため、夏風邪と間違え放置され長期に渡って症状を繰り返すと、肺が線維化して固く厚くなり肺線維症など重篤化することもあります。
夏型過敏性肺炎の治療と予防
夏型過敏性肺炎の治療の基本は、原因となるカビを吸い込まない環境にすることです。
重症になると酸素やステロイド薬の投与が行われ、症状に合わせて対症療法を行います。
軽症の場合は、自宅から離れると症状が良くなり、自宅に戻るとまた悪化してしまいます。
いずれにしても自宅にトリコスポロンが繁殖している限り、症状を繰り返し重篤化してしまいます。
自宅の環境が原因の場合は、家のなかを掃除や消毒しましょう。
特に、エアコン・加湿器・洗濯槽をこまめに掃除しましょう。
また、台所、洗面所などの水周りも掃除し、腐った木の部分の除去や風通しをよくするなど工夫してカビが発生しないように予防を心がけましょう。
過敏性肺炎ってうつるの?
夏風邪と夏型過敏性肺炎は似た症状なので区別がつきにくいですが、夏型過敏性肺炎は夏風邪のようなウイルスではなく、カビなどのアレルゲン(アレルギー物質)によって発症するのでうつることはありません。
しかし、夏になると毎年風邪をひく、咳が出るという場合は、過敏性肺炎の可能性も疑われるので呼吸器内科などの専門医に調べてもらいましょう。