骨がつくられる仕組みって知ってますか?
もくじ
骨がつくられる仕組み
骨は破骨細胞と骨芽細胞という2種類の細胞が働き、毎日少しずつ新陳代謝を繰り返しています。
破骨細胞は古くなった骨を壊し、骨芽細胞がコラーゲンを分泌して骨を再生する、骨のリモデリングを繰り返していて、1年間に約10%の骨が生まれ変わっているといわれています。
骨の役割
骨の中心にある骨髄には、血液のもととなる造血幹細胞があり、体中の細胞に酸素を運ぶ「赤血球」、細菌やウィルスから体を守る「白血球」、止血作用のある「血小板」が作られます。
赤血球は約120日、白血球は数時間から数年、血小板は約10日ほどの寿命なので、絶えず血液が作られています。
骨はカルシウムの貯蔵庫
カルシウムは骨の強度を保つだけでなく、神経伝達や筋肉の収縮などにも関わる欠かせない栄養素です。
骨にはリン酸カルシウムが蓄えられていて、血中のカルシウムが不足すると骨から放出して血中濃度を一定に保っています。
体外からのカルシウム摂取量が著しく減ると、骨から必要以上にカルシウムが溶かされてスカスカになり、骨粗しょう症になってしまう可能性があります。
加齢と老化の意味の異い
加齢は、人が生まれてから寿命を迎えるまでの物理的な時間経過で、誰でも同じ速度で進行します。
老化は、加齢に伴う生理的機能の低下を指していて、20~30歳ごろには始まっているそうです。
進行速度は生活習慣や遺伝的要因によって個人差がありますので、骨の老化を防ぐためにも食生活や日々の運動などを見直しましょう。
一度すり減るともとに戻らない軟骨
軟骨は神経や血管がなく、65~80%の水分と有機成分でできています。
有機成分の80%はコラーゲンで、細かい網目状になっています。
軟骨の中でも骨の両端についている「関節軟骨」は、骨に対する衝撃を和らげるクッションの役割と、骨と骨をつないで関節の動きをスムーズにする役割があります。
関節軟骨は骨のようにリモデリングは行われないので、一度すり減ってしまえば元に戻ることはありません。
また、3年間で体重が10キロ以上増えると膝痛を起こしたり、関節機能に影響が出たりするといわれ、骨や筋肉のように鍛えることができないので、肥満には十分に注意しましょう。
骨の生理的老化と病的老化
関節軟骨に「メカニカルストレス(力学的負担)」がかかると老化が進みます。
生理的老化
筋力の低下によって関節軟骨に負荷がかかり、細胞の性質が変化して少しずつ軟骨が破壊されます。
軟骨が破壊され痛み動かしにくくなることで、さらにメカニカルストレスがかかってしまいます。
病的老化
生理的老化に以下の因子がストレスとして加わることによって、病的状態が引き起こされます。
・体質
・過剰な負担(立ち仕事、ハードな運動など)
・肥満
・O脚、X脚
など
生理的老化が起こった軟骨には、血管を侵入させて軟骨の破壊をさらに進める「軟骨肥大」が起こり、激しい痛みにより運動が制限され腰や膝が曲がってしまいます。
歳を重ねると生理的老化は誰にでも起こる減少なので、日頃から軟骨に負担をかけないように意識しましょう。