歯周病の原因は口の中の常在菌だよ!
もくじ
歯周病の原因
歯周病は、口腔内の細菌が歯と歯肉の境目の溝の中に付着して起きる病気です。
口の中には様々な細菌が何層にも重なり、その外側に「バイオフィルム」というバリアが形成されています。
その中でポルフィロモナス・ジンジバリス、トレポネーマ・デンティコラ、タネレラ・フォーサイセンシスの三つの菌が歯周病の原因菌とされています。
これらの細菌は「レッドコンプレックス」と呼ばれ、毒素を出し歯周組織を破壊し歯周ポケットを作り歯肉に炎症を起こします。
その他にも、かみ合わせの負荷荷重、局所の血液の循環障害、全身の免疫力低下などにより歯周病の進行が加速される場合があります。
歯周病は国民病
歯周病は虫歯と並ぶ歯科の2大疾患で、20歳代で約7割、30~50歳代で約8割、60歳代では約9割で、ほとんどの人が歯周病にかかっている国民病です。
また、自分では進行がなかなか自覚できないので「サイレント・ディジーズ(静かなる病気)」といわれています。
進行すると歯肉からの出血、歯を支える歯槽骨が溶けて歯がグラグラしたり、口臭などの症状がでます。
歯周病の診査
歯周病は大きく分けて「歯肉炎」と「歯周炎」の2つに診断されます。
歯周病の診査は、以下の方法で歯周組織にどの程度炎症が進んでいるのかを調べます。
① 歯周ポケット検査
② 歯周ポケットからの出血
③ 歯の動揺(ぐらつき)度診査
④ プラーク(歯の表面につく白い糊状の付着物)付着状況
⑤ レントゲン検査
など
歯周病の治療法
歯周病の治療は、歯周病の病原菌をできるだけ排除して、歯周組織を健全な状態に戻すことです。
普段から自分で歯を磨いてケアし、自分でできない部分は歯医者さんで治療してもらいましょう。
歯周病を防ぐ歯ブラシの基本は、「バス法」と言って歯ブラシを45度の角度で歯と歯肉の境目に当て小刻みに磨く方法が一般的です。
歯医者さんで治療しても、約3ヶ月ほどでまた歯周病菌が増え始めますので、自宅で歯磨きをすることは状に重要なことです。
自分で丁寧に歯を磨き、定期的に歯科医院でケアしてもらいましょう。
歯周病と全身の病気との関連性
歯周病は口の中だけでなく、以下の全身の病気にも影響を及ぼし、命取りになる場合もあるので注意が必要です。
糖尿病
歯周病は「糖尿病の第6の合併症」で、糖尿病と相互に影響をおypボスと言われています。
脳梗塞、心筋梗塞
歯周病で歯肉から出血し、破れた血管から歯周病菌が侵入してしまい血栓ができて、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こすリスクが高まリます。
誤嚥性肺炎
歯周病になると、歯周病菌が気管を通って肺に侵入し、肺炎に感染することがあります。特にお年寄りや寝たきりの人の場合は、命取りになりかねませんので、専門家による口腔ケアをおすすめします。
認知症
歯周病菌は、認知症の約6割を占めるアルツハイマー病を悪化させると言われている、脳内にたまるアミロイドβというタンパク質を増やす可能性があるという研究が発表されています。