ほくろが悪性なのかの見分け方|もしかしたらメラノーマ(悪性黒色腫)かも!
もくじ
ほくろとは
ほくろは母斑細胞が増える良性の腫瘍で、生まれつきのものや子供の時にできるもの、大人になってからできるものがあります。
メラニン色素をつくるメラサイトと言う細胞が変化したもので、直径6mm以下のものが多く、黒や茶色、青灰色、褐色のもの、盛り上がっているものや扁平なものなど、いろいろなものがあります。
ほくろができる原因や増える原因はわかっていないそうですが、遺伝や紫外線の刺激などが影響していると考えられています。
ほくろは良性腫瘍なので治療の必要はありませんが、悪性黒色腫(メラノーマ)などなかなかほくろと見分けがつかない病気の可能性もあるので注意が必要です。
ほくろに似た悪性黒色腫とは
悪性黒色腫(メラノーマ)は皮膚がんの一つで、メラサイトと呼ばれる色素を作る細胞やほくろの細胞(母斑細胞)が悪性化した腫瘍で、「ほくろのがん」「ほくろのような皮膚がん」などとも呼ばれています。
足の裏や手のひら、爪、顔や背中などいろいろな箇所にでき、眼球や鼻、口の中、肛門などの粘膜にできることもあります。
原因は明らかになっていませんが、紫外線や皮膚の摩擦、圧迫などの刺激が関係していると考えられています。
また、年間100万人あたり10~20人発症するそうで、60歳以上に多く進行した場合、5年間の生存率は約10%と低いですが、悪性黒色腫になる一歩手前の前駆症の状態や早期に発見できれば命を落とすことはないので、少しでもおかしいと感じたら皮膚科専門医に相談しましょう。
ほくろと悪性黒色腫(メラノーマ)の見分け方
ほくろと悪性黒色腫は初期では区別が難しいですが、早期に発見することが最も重要です。
良性のほくろから悪性黒色腫になるのは極めてまれですが、ほくろだと思っていたものが悪性黒色腫だったということもあります。
ほくろの一部が濃かったり、黒や茶色、灰色など色むらが合ったり、大きさが6ミリ以上だったり、一部が盛り上がってきた場合などは、悪性黒色腫が疑われます。
悪性黒色腫(メラノーマ)の症状を早期発見のためのABCDE基準
◆Asymmetry(非対称性)
形が左右非対称
◆Border irrgularity(不規則な外形)
輪郭がギザギザしていて、境界に鮮明な部分と不鮮明な部分がある
◆Color variegation(色むら)
黒褐色が多いが、色調にむらがあり、 青、赤、白などの色調が混ざることもある
◆Diameter enlargement(大きさ)
長径が6mmを超えるものは特に注意が必要
◆Evolving lesions(経過の変化)
大きさが拡大したり、形、色、表面の状態、症状に変化がある
など、色や大きさ、形、硬さの変化に注意しましょう。
また、爪にできる場合もあるので、爪の変化にも注意しましょう。
悪性黒色腫(メラノーマ)の診断と治療
悪性黒色腫の診断は、20年ほど前まではすぐに切除するか組織を顕微鏡で検査していましたが、
現在は強い光を当てて特殊な拡大鏡で診る「ダーモスコピー検査」で、簡単にがんを識別できるようになっているそうです。
皮膚科専門医のいる病院なら、どこでも検査を受けられるそうですよ。
治療は早期であれば患部の切除ができますが、進行すると抗がん剤などを用いた免疫療法や化学療法などの薬物療法や放射線治療が必要になります。